- CODING FACTORY TOPICS
- Vol.59 2013年9月号
先月号に引き続き、セミナー時にご回答頂いた
アンケート結果を紹介します。
■今、制作の中で困っていること
7・8月に三大都市(大阪・名古屋・福岡)で開催したコーディングガイドラインセミナーで、アンケート調査を実施しました。前月号は、「レスポンシブWebデザインの動向について」「品質管理の体制について」の集計結果を紹介しました。今回は、フリー回答で質問した「制作で困っていること」の集計結果を見ていきたいと思います。
セミナーには、約600名の様々な業種の方にお集まりいただきました。セミナー参加者の業種は下のグラフをご参照ください。
設問「制作で困っていること」への有効回答数は、310でした。この設問はフリー回答でしたので、回答内容を一つずつ確認して、分類をしていく形で集計を行ないました。
その集計結果が右上の表【アンケート集計結果】です。
【参加者の業種】
■集計結果を見ていきましょう
今回アンケートを実施したのが、ガイドラインに課題意識を持っている方が集まるセミナーの場でしたので、ガイドラインが無いことで生じる問題点を挙げている方が24%と最も多い結果となりました。
内容を見てみると「人によって品質がバラつく」「既存サイトの運用の時、ルールがバラバラで困る」「社内のメンバーが今のままでも何とかなると言い、ガイドライン作成ができない」等、ガイドラインが無いことで起こる問題や作成に向けての弊害を挙げている回答が多くありました。
次いで多かった回答が、リソース不足(13%)に関することです。職種別に見ると、コーダー、ディレクター、デザイナーの順でリソース不足を感じている方が多いことが分かりました。
3番目に多かったのが、ブラウザ対応(8%)です。内容を見ると「いまだにIE67対応に悩まされる」「ブラウザ対応をどこまですべきか」「HTML5、JSとIE8以下の問題」といった回答が見られます。
最近は減ってきているとは言え、レガシーブラウザへの対応をどうしていくか、新しい言語との共存方法に悩まれている方が多いことが分かります。
9番目に多かったデバイス対応(4%)も「アンドロイドの機種が多い」「どこまで機種を絞るか」等、ターゲットをどのように、どこまで絞るかで困っている方が多いことが分かります。
4位:生産性・効率(7%)「制作時間の短縮化」「ファイルのバージョン管理」等、5位:スキルアップ(7%)「スタッフの育成・教育」等、6位:スケジューリング(5%)「人数が増えている中でのスケジュール管理」「複数案件の調整」等は、まさに我々も皆さんと同じように試行錯誤をしながら、取り組んでいることです。
【アンケート集計結果】
No. | 分類 | N | % |
---|---|---|---|
1 | ガイドライン | 73 | 24% |
2 | リソース不足 | 39 | 13% |
3 | ブラウザ対応 | 25 | 8% |
4 | 生産性・効率 | 23 | 7% |
5 | スキル不足 | 21 | 7% |
6 | スケジューリング | 17 | 5% |
7 | 制作フロー | 16 | 5% |
8 | 業界・技術情報収集 | 12 | 4% |
9 | デバイス対応 | 11 | 4% |
10 | 社外コミュニケーション | 10 | 3% |
11 | レスポンシブWebデザイン | 9 | 3% |
12 | 品質管理 | 9 | 3% |
13 | 社内コミュニケーション | 8 | 3% |
14 | システム連携 | 7 | 2% |
15 | 予算確保 | 6 | 2% |
16 | 外注コントロール | 6 | 2% |
17 | デザインクオリティ | 5 | 2% |
18 | JS・jQuery | 5 | 2% |
19 | 意識の低さ | 4 | 1% |
20 | CSS | 4 | 1% |
合計 | 310 | 100% |
今回のアンケート集計結果で意外だったのが、8番目に多かった業界・技術情報収集(4%)に関することです。
「制作物が正しいか確認する術がない」「専門知識を持ったメンバーがいないので、謎を解くのに時間がかかる」「何が標準か判断できない」といった意見が多く見られました。最新の技術や動向を求めているというよりも制作物の正誤の判断で迷ったり、トラブルシューティングに時間がかかったりと、制作の中で感じるストレスを挙げられる方が多いことが分かりました。標準ルールやちょっとしたトラブルシューティングは、我々のような量をこなしている専門会社だからこそお伝えできることも多いのではないかと感じました。
■最後に
業界の現状を少しでも知りたいと実施したアンケートですが、我々としても気がつくことが多かったですし、読者の皆様との課題共有にも役立ったのではないかと思います。
今回の結果を受けて、コーディングファクトリーとして皆様にご提供できることを探っていきたいと思います。
今後も機会を見つけて、このような調査活動を行なっていきます。
アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。